Fujitsuユーザーコミュニティ中国支部 イベント開催レポート
20年超の共創で磨く、ICT課題解決の実務知
Fujitsuユーザーコミュニティ中国支部「システム事例フリーマーケット研究会」
Fujitsuユーザーコミュニティ中国支部が主催する「システム事例フリーマーケット研究会」は、20年以上にわたり継続してきた実務者コミュニティです。単なる情報交換にとどまらず、ICTを取り巻く急速な環境変化に対して、業種の垣根を越えた会員企業が共創し、課題の解像度を高めながら解決の方向性を探ることを目的として活動しています。参加者は地域に拠点を置く会員企業のIT部門管理職および実務担当者であり、日々の課題や成功事例を率直に共有できる関係性を基盤として、継続的な学びと相互研鑽を重ねています。
本研究会の設計思想:課題起点で「意思決定に使える」議論へ
本研究会の運営は、事前アンケートにより各社の疑問や論点を収集し、それを起点として専門家による最新情報の提供と参加者間の意見交換を組み合わせて進めている点に特徴があります。単なる技術トレンドの紹介にとどまらず、現場運用や社内説明にも耐えうる「論点整理」まで落とし込むことで、参加企業が自社内での検討を円滑に進められるよう工夫しています。
重点テーマ(生成AI):RAGと機密データ保護をめぐる実務論点
第3回では、企業の喫緊課題として関心が高まっている「生成AI」をテーマに設定しました。事前アンケートで寄せられた具体的な課題や疑問を踏まえ、議論を実施しています。議論内容は単なる技術解説にとどまらず、RAG(Retrieval-Augmented Generation)による社内情報活用の高度化や、機密データ保護の観点からのオンプレミス型生成AIの重要性など、導入および運用に直結する論点に踏み込んだものとなっています。
セキュリティ回で顕在化した「現場の問い」:インシデントを自社に引き寄せる
テーマを変えながら年間複数回開催される本研究会では、過去に「セキュリティ」をテーマとした回も実施されています。当該回ではランサムウェア事例を深掘りし、各社が自社のセキュリティポリシー見直しの必要性を再認識する機会となりました。
また議論の中では、「8月6日の原爆の日には外部からの攻撃が増える傾向があるが、どのように対応しているか」といった地域性を踏まえた具体的な問いも交わされており、机上の一般論ではなく、現場起点の実践的な情報交換が行われている点が特徴です。
「現場接続」を強める企業見学:座学では得られない実装の温度感
今年度からは、座学中心の議論に加え、「企業見学」も開始しています。株式会社熊平製作所への訪問では、参加者が実際の企業現場におけるICT活用事例に直接触れることができ、会議室内の議論だけでは得られない具体的な知見や刺激を得る機会となりました。本取り組みは、研究会として重視している「現場のリアル」を運営面においても強化するものです。
信頼を資産化する:地元企業同士だからこそ得られるリアリティ
【開催実績(2025年度)】—「テーマ×現場」を年次で展開
2025年度は、以下の通り開催されました。
- 第1回:セキュリティ対策(7月11日)…8社/8名
- 第2回:企業見学および意見交換会(熊平製作所)(9月19日)…8社/8名
- 第3回:生成AI(11月26日)…10社/10名
- 第4回:施設見学および意見交換会(マツダミュージアム)(2月10日)…8社/13名
2026度の展望:形式の最適化と相互理解の深化
次年度に向けては、開催回数・形式・カリキュラムの整理を進めています。具体的には、開催回数を年3回とし、開催形式は集合またはハイブリッドでの実施を想定しています。また、交流会は年1~2回(通常回および企業見学)開催する方針です。
当日のアジェンダについても、「会長挨拶」「情報提供(質疑応答含む)」「事前アンケートに基づく意見交換」「フリーディスカッション」などを基本構成として整理しています。さらに、会員企業の見学ツアーを年1回企画することで、相互理解と実務的な学びを一層深めていく予定です。
中国支部 広報委員
株式会社中国新聞システム開発
取締役 上田 久志
