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Fujitsuユーザーコミュニティ関東支部 ICTリーダー研レポート

2025年度「ICTリーダー研究会」~成果報告会に見る、対話が生んだ共創のかたち~(後編)

前編では、キックオフから中間報告会までの活動を振り返りました。

後編では、約8ヵ月間にわたる検討の集大成となる成果報告会の様子と、各グループの最終提案、そしてその舞台裏についてお伝えします。

「ICTリーダー研究会」とは

ICTリーダー研究会の目的は、業種や立場の異なるメンバーがチームを組み、ICTを活用した社会課題や価値創造について研究・提案を行う研究会です。ディスカッションや共同研究を通じて、日常の業務では得にくい視点や考え方に触れる点に加え、社外とのつながりを築く機会として提供しています。

成果報告会(2026年2月6日)

各グループがこれまでの議論やフィールドワークをもとに仮説を立て、社会課題に対するビジネスモデルを検討し発表しました。

発表では、課題の構造整理からICT活用の具体策、実装イメージまで提案され、検討の積み重ねが伝わりました。質疑応答は実現性やリスクへの問いも投げかけられ、活発な議論が交わしました。

各グループの最終提案

■ 関東1グループ【最優秀賞、プレゼン賞】
「ミライ子育て安心ナビ」~個々の育児不安をなくし、迷わず子育てができる社会へ~

子育て世帯の不安を可視化し、地域・属性ごとに最適化された情報を提供するパーソナライズ型支援サービスを提案。

AIや公的データを活用し、利用者が“今ほしい支援”にたどり着けるサービスを提案しました。

■ 関東2グループ【第三位】
「TAKUMI BASE」~“循環人口”を創出する地方創生プラットフォーム~

地方の匠や生産者と都市部の人材をつなぎ、学びを軸に関係人口を“循環人口”へと発展させるプラットフォームを構想。

インセンティブ(ポイント)の設計や人材の可視化の仕組みにより、継続的な関わりを生み出すモデルを提案しました。
■ 関東3グループ
「ウッドペイ」~森を良くして、暮らしもおトク~

放置林問題に対し、地域通貨を活用して住民参加型の林業支援モデルを提案。

環境保全と地域経済循環の両立を目指す仕組みとして具体化し提案しました。
■ 北陸グループ
「HOKUSEA」~ICT×コミュニティで拓く若手漁業従事者の未来~

一次産業の後継者不足に対し、「学ぶ・働く・続ける」を一気通貫で支えるプラットフォームを構想。

AIマッチングや研修情報の集約により、新規参入のハードルを下げる仕組みを提案しました。

■ 信越グループ【優秀賞】
「まなビジ・リンク 佐渡」~学びで繋がる、佐渡島ふるさと住民プラットフォーム~

学びを起点に地域と継続的につながる二拠点モデルを提案。

地域通貨や既存制度と連動させ、佐渡ならではの資源を活かした関係構築を提案しました。

〇最優秀賞チーム(関東1グループ)リーダーの受賞コメント

「オンラインも活用しながら、リアルなコミュニケーションを大切にチームで議論を進めました。顔を合わせて話すことで、メンバーとの人間関係が深まり、本音で議論できるようになりました。」

また、議論は決して順調なものばかりではなく、

「講師の方とも意見がぶつかることがありましたし、グループ内でも意見があわないことはありました。いったん壊して再構築することを繰り返しました。」

方向性に迷い、構想を一度白紙に戻す場面もありましたが、それでも対話を重ね、グループ内で何度もプレゼンを行いながら磨き上げていったプロセスこそが、今回の成果につながった発表されていたのが印象的でした。

〇成果の背景にあったもの

今回の研究会で印象的だったのは、単なるアイデア創出の場にとどまらず、本音で議論できる関係性が築かれていた点です。異業種のメンバーが集まるからこそ、価値観や視点の違いは少なからず存在します。むしろその違いを避けるのではなく、あえて向き合い議論を深めていく。その積み重ねが、提案の厚みにつながっていたことがうかがえました。
ICTはあくまで手段であり、本当に価値を生み出していたのは「人と人との対話」であったことでした。

取材後記

前編でお伝えしたとおり、本研究会は多様な立場のメンバーが一つのテーマに向き合い、議論を重ねる場です。成果報告会では、その積み重ねが確かな形となって表れていました。

筆者自身も過去に参加した経験がありますが、異業種の視点に触れながらゼロからビジネスモデルを組み立てるプロセスは、視野を大きく広げてくれる貴重な機会です。研究会で築かれたつながりや得られた視点は、発表で終わるものではなく、それぞれの現場へと持ち帰られ、今後の業務や挑戦の中で活かされていくはずです。

ICTリーダー研究会は、社会課題解決に向けた“共創”を体感する場として、これからも進化を続けていきます。今後の活動にも、ぜひご注目ください。

 

関東支部 広報委員

株式会社FJネクストホールディングス

経営戦略室 課長 伊藤賢志